今回はピアノ・ソルフェージュ講師 田中綾乃先生のインタビューその3です。
スタッフ
音楽を通じての思い出もたくさんあると思いますが、印象的だったのはどんなことですか?
綾乃
大学生になってからの出会いが一番大きかったです。
ピアノの米元えり先生との出会いは忘れられません。
先ほどもお話しましたが、大学では最初、楽理科に入学しました。
楽理科ではピアノは副科扱いで、レッスンも短い時間でしたが、米元先生は新しい視点からの助言をしてくれました。
和声感、拍感、フレーズ感と言ったつまり音楽の基本を一生懸命教えてくださったのです。
表面的に印刷された音符だけではなく、自分の力で音符の中にあるもの、楽譜の奥に広がるものを読み取ることができるように教えてくださったのです。
音楽に真剣に打ち込む友だちとの出会いも貴重でした。
毎日のようにごはんを一緒に食べ、音楽について語り合いました。
語り合うためには、まず自分に対して問いかける必要があります。
自分自身や音楽を見つめるきっかけになったのです。
さらには仲間同士で室内楽のレッスンも見学し合うなどして、音楽を空間的に構築する視点を得ることもできました。
(その4へつづく)